INTERVIEW 19
保健師 保健医療介護部 健康増進課
県民の暮らしに寄り添い、
健康と安全を支える。
Profile
江藤 麻奈 入庁7年目
学生時代に看護学部で学び、看護師・保健師の資格を取得して平成29年度に入庁。
田川保健福祉事務所勤務を経て、令和4年度から現職。
―仕事内容を教えてください
行政の保健師は県民の皆さんの命と暮らしを守る大切な仕事のひとつです。
現在は本庁で、地域保健従事者(保健師、助産師、管理栄養士)の人材育成や災害支援に関する業務などに携わっています。
主な担当業務は、県および県内の市町村で働く地域保健従事者を対象にした研修の企画・実施です。
また、災害支援に関しては、災害時の対応などをまとめたマニュアルの作成や災害時に被災地へ派遣する保健師の調整や連絡を行います。令和5年7月豪雨の際には、被災地支援に関わる保健師の派遣調整に携わりました。
―仕事で印象に残っていることはありますか?
入庁1年目の保健福祉事務所での勤務のときに、神経系の難病を患っている方の支援に携わったことです。
家庭訪問やご家族との面談を通して進行する症状を見聞きし、その方やご家族がよりよい生活を送るために、自分に何ができるかを深く考えました。
病状が進行し、本人の思いも変化する中、相手の気持ちに寄り添いながら、本人や家族と一緒に必要な支援を考え、提案していきました。
解決できないこともありましたが、健康課題を抱えながら地域で生活する方を支援する姿勢を学ぶことができ、また同時に保健師という仕事の意義を再認識する機会にもなりました。
―働きやすさを感じる点を教えてください
保健師として働いている県職員がたくさんいるので、同期という横のつながりはもちろん、縦のつながりもとても広いです。
また、定期的に開かれる勉強会では常に新しい知識を学べますし、各保健福祉(環境)事務所の方々と情報交換もできます。
今の私は研修を行う側でもありますが、県が行うものだけでなく、国や関係機関が行う研修に参加できる機会もあるので、保健師として働きながら学び続けられる環境でもあると思っています。
―入庁前後でイメージのギャップを
感じるところはありますか?
イメージのギャップというよりは「想像もしていなかった」という話ですが、入庁6年目で人材育成に携わるとは思っていませんでした。
それまでの保健福祉事務所での経験で、自分なりに成長できたとは思っていましたが、不安も少しありました。
ただ、研修の企画や準備をする中で、新しい発見や気づきがあったり、「人に教えながら、自分の理解も深まる」という実感がありました。
保健福祉(環境)事務所という現場と本庁でのマネジメント、そのどちらも経験できるのは、きっと県の保健師ならではの魅力です。
今後また保健福祉(環境)事務所勤務になったときは、今の経験もしっかり活かしたいですね。
―福岡県の職員として実現・達成したことを教えてください
保健福祉事務所在籍時に、産後ケア事業という母子保健事業の拡充に携わりました。
産後ケア事業というのは、退院直後の母子に対し心身のケアや育児サポートなどを行い、産後も安心して子育てができる支援体制のひとつです。
当時は管内のいくつかの市町村でしか実施されておらず、地域によってサービスに差があったため、管内全域に広げるために各市町村(保健師)との会議、産科医療機関や助産院との話し合いを重ね、支援体制を整えていきました。
子育てに悩むお母さんから「サービスを受けられるようになった」と聞いたときは、地域に貢献できたことを実感できて嬉しかったことを覚えています。
―今後、取り組んでみたい仕事はありますか?
感染症対策に取り組んでみたいと思っています。
コロナ禍を経験したからこそ、感染症は個人の健康被害に留まらず、感染拡大が社会全体に大きな影響を及ぼすということを実体験として痛感しました。
新型コロナウイルス感染症や新型インフルエンザだけでなく、今後未知の感染症も出てくるかもしれません。
そのときに、保健師という専門職として取るべき対策や患者さんの支援をきちんと行えるよう、まずは正しい知識を身につけたいです。
最近は感染症に関する研修の機会も増えているので、積極的に参加していきたいと思います。
行政の保健師は病院や企業とは違い、地域全体が活躍のフィールドです。
保健師が支援する対象者はとても多く、また仕事を通して関わる人も病院や福祉施設の方々など多岐にわたります。
さらに、健康づくり施策や難病支援、感染症対策、精神保健など業務範囲も幅広いです。
それだけたくさんのやりがいがありますし、成長し続けられる環境も整っています。
私自身まだ未熟なところもあるので、これから入庁される皆さんと一緒に成長していきたいです!