Interview
担当されたプロジェクトの概要を教えてください
温泉地の賑わい創出と誘客促進を目的に、令和7年7月〜8月に「原鶴湯ったりよかぜ祭り」を開催しました。これは、原鶴温泉地域の旅館協同組合や商工会、飲食店などと連携し、夜と早朝に楽しめるイベントです。ライトアップなどの光の演出や、キッチンカーの出店、こどもたちに人気のデジタルチャンバラといった夜の催しに加え、宿泊者限定で筑後川の遊覧船に乗れる早朝のサービスなど、滞在を通して楽しめる多彩な企画を実施。地域住民と行政が一体となって、賑わい創出に力を合わせたプロジェクトです。
プロジェクトにおける、あなたの担当業務を教えてください
プロジェクトを推進するために立ち上げた実行委員会の事務局として、運営に関する業務全般を担当しました。具体的には、イベントの企画立案から始まり、その企画を実現できる委託事業者さんの選定・調整、チラシやSNS広告の作成といった広報活動まで、多岐にわたる業務に携わりました。プロジェクトが円滑に進むよう、関係各所との橋渡し役を担いながら、イベントをゼロから作り上げていく、まさに縁の下の力持ちのような役割です。
プロジェクトに携わる中で、心に残っているエピソードを教えてください
イベントの打ち合わせで毎週のように原鶴温泉へ通ううち、地域の方々との関係性が深まっていったことです。はじめは「県庁の方」と呼ばれていたのですが、次第に「夏に祭りをするんでしょう、頑張ってね」と温かい声をかけていただく機会が増え、ある日を境に名前で呼んでいただけるようになりました。住民の皆さんのイベントに対する期待の高まりを肌で感じるとともに、自分自身が地域の方に受け入れられたのだと実感できた瞬間は、本当に嬉しかったです。
プロジェクト進める上で、一番大変だったことを教えてください。また、その壁をどのようにして乗り越えましたか?
実施期間が1か月以上と長期にわたり、内容も多岐にわたったため、実行委員会のメンバーだけで完結させることが難しかった点です。旅館や飲食店、地域住民の皆さんのご理解とご協力が不可欠でした。そこで、近道はないと考え「とにかく現場に足を運ぶこと」を徹底しました。開催直前は関係各所へ何度も足を運び、一人ひとりが「地域を挙げたおもてなし」の担い手であるという意識を持っていただけるよう、丁寧に説明して回りました。この地道な積み重ねが信頼関係を築き、プロジェクトを成功に導く鍵になったと思います。
プロジェクトを通して感じた「福岡県」の魅力は何だと思いますか?
プロジェクトの舞台となった朝倉市は、過去に河川の氾濫など幾度となく自然災害を経験してきました。8年前の豪雨災害について、地域住民の方から当時の様子を伺う機会も多くありました。そうしたお話の中から感じたのは、災害のたびに復興へ向けて力強く立ち上がる地域の人々のたくましさと、自然に囲まれた雄大な環境で育まれた大らかさです。困難を乗り越えてきた歴史があるからこそ生まれる人の温かさと底力こそが、福岡県の本当の魅力なのだとあらためて実感しました。
今後のプロジェクトの展望を教えてください。
今回の「原鶴湯ったりよかぜ祭り」を一過性のイベントで終わらせるのではなく、この成功を県内全体へと広げていきたいです。福岡県には、原鶴温泉を含めて6つの主要な温泉地があります。今回のプロジェクトで得たノウハウや成功事例を他の温泉地にも展開し、それぞれの地域の特色を活かした賑わい創出のきっかけを作りたいと考えています。この取り組みを通じて、福岡県全体の温泉観光を盛り上げ、さらなる活性化に貢献していくことが今後の目標です。
プロジェクトの経験を活かして福岡県職員として「これから実現したいこと」を教えてください
地域振興の現場では、熱意はあっても人手が足りず、目の前のことで精一杯になっている担い手の方が多くいらっしゃいます。そういった方々にしっかりと寄り添い、ともに汗を流しながら、ゼロからイベントを創り上げるような「手づくり」の仕事に、これからも挑戦していきたいです。これは、効率化が進む中でもAIには決して真似のできない、人と人とのつながりを創る仕事です。プレイヤーとして現場の最前線に立ち続けることで、地域に貢献していきたいと考えています。